ご挨拶

ご挨拶

心臓血管外科サマースクール
実行委員長
椎谷 紀彦
(2022.4.1 update)

心臓血管外科サマースクールへ、ようこそ。
心臓血管外科は、形態と機能が一体となった、解剖学・生理学に基づく機能再建外科で、生物学(悪性腫瘍)が主の他の外科とは一線を画します。自身の技量(知識、経験、技術、判断力、人間力)は結果に直結し、患者さん・ご家族の人生を左右します。患者さんは文字通り、我々に命を預けています。ですから、高い職業意識が要求され、心技体を磨く必要がある大変厳しい仕事です。でも、ハードルが高いからこそ、乗り越えた時に得られる喜びは大きいのです。
これは、患者さんも同じです。無事手術を乗り越えた時に私たちに向けてくれる感謝の気持ち、これは他の診療科では得られません。この“やりがい”は、比類ないものであり、まさに“生きがい”、すなわち人生をかけるに足る仕事であると思います。

心臓血管外科という仕事に興味がある医学生の数は、決して減少してはいないと思いますが、この高いハードルのため、実際に門をたたく医師は多くはありません。その中で、次代を担う医師を育成することは、先輩である私たちの責務でもあります。老若男女問わず志を同じくする沢山の仲間と交流し、心臓血管外科という仕事の魅力に触れていただくお手伝いが出来れば幸いです。
私が実行委員長を務めますのも、今回が最後になります。2019年から、COVID-19で中止になった2020年を挟んで3回、社会情勢の変化に応じて開催形態を模索しながら、何とか務め参りました。ご協力を賜りました全ての方々に、感謝申し上げます。